鈴鹿山系の麓に位置する旧神埼郡永源寺町市原(現在は、東近江市市原野町)で生産される近江米は、気温、水、土に恵まれ、地元滋賀でも有数の米どころです。
■ 美味しいお米の条件 | |
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その1 | 登熟時の日照時間と寒暖の差 |
その2 | 鈴鹿の山から流れる冷たい水 |
その3 | 米づくりに適した粘土質の土壌 |
海風の影響を受けない近江盆地では、昔からお米作りが盛んで近江米として有名です。その中でも、鈴鹿の山と布引丘陵に囲まれた市原地区は、山間地域であることから登熟時(8月の穂がでた頃)の日照時間と昼夜の寒暖の差が激しく、つや、粘り、甘味共に良好で美味しいお米に育ちます。
食の安全、環境への配慮が叫ばれる中、市原地区では、びわ湖の環境保全を目的とした、滋賀県認証の「環境こだわり米」づくりに取り組んでいます。環境こだわり米は農薬・化学肥料を通常の5割以下に減らし、濁水を流さないことで、びわ湖・周辺環境への負荷を減らして栽培しています。
滋賀県認証の環境こだわり米を生産するには、通常より多くの手間と注意が必要になります。また、生産量は通常の栽培方法に比べて少し減るという生産者には大変な部分も多々ありますが、安全で安心、しかも環境にも配慮したこれからの米作りとして、生産者一同誇りを持って取り組んでいます。
コンバイン、トラクター、田植機の大型化によりコストを下げ生産性を上げた米づくりに取り組むと共に、農家一人ひとりの意識の高揚と消費者が求める「食」のニーズを研究する場として、営農研修を行っています。
市原地区では、73ヘクタールの水田で滋賀県の種もみの約42%を生産しています。
また、環境こだわり米を栽培する農家の水稲種子は市原地区布引営農組合で一括管理し、良い種子を選ぶために、塩水で選別する「塩水選」を行った後、60度のお湯に10分間種子を浸す「温湯消毒」を行い、冷水で急速に冷やした後「芽出し」をしたものを各農家に配布。または、組合のハウスで苗に育てることで、品質と減農薬に取り組んでいます。
安全でおいしい!市原地区布引営農組合の「環境こだわり米」近江米コシヒカリ、キヌヒカリ、日本晴、秋の詩、ヒノヒカリをぜひお求めください。
昨今の米あまりに対応するため、米に替えて麦・大豆の生産が全国的に行われています。
問題となるのは代替作物として生産されたこれらが、いかにすれば輸入品より優位に市場で消費されるか、ということがテーマとなります。
市場に出したとき、高い信頼を得るにはまず安定した供給が出来る事、品質が均一によい事だと考えています。
そのためには水稲生産に比べ生産性・収益性に劣るこれらの生産体系の水準向上が必要となります。
大型機械を使用し生産効率を向上させると同時に、生産体系を統一するための生産者への技術講習会等の機会を持ち効率化と品質の統一性を確保し、作付面積の拡大を目指していきます。